サイクロトロン運動 — 磁場での粒子の運動
ドラッグで回転 / ホイールでズーム / 右ドラッグで平行移動 ・ 粒子の質量は電子質量 (9.11×10⁻³¹ kg) で固定。q の符号で電荷の正負を表す
パラメータを動かしてみよう
1 まず静止状態で位置関係を確認
まだ ▶ 再生 を押さず、3D 図に出ている3本の矢印をドラッグで視点を回しながら観察してください。
- 速度 v(青) は粒子から +x 方向(右)へ伸びている
- 磁場 B(灰) は粒子から +y 方向(上)へ伸びている
- 力 F(赤) は粒子から +z 方向(奥)へ伸びている
- 視点を回すと、3本が互いに直交(90° の関係)になっているのが分かる — 特に F は v にも B にも垂直
2 右手の法則で外積を確かめる
F の方向は v × B(外積)で決まります。外積の向きは右手の法則で求められます:
- 親指 = v(青矢印の方向)
- 人差し指 = B(灰矢印の方向、上向き)
- 中指 = v × B(自然に出てくる方向)
実際に右手で試すと、中指は奥(+z)を指すはずです。画面上の赤い F 矢印と一致しているか確認してください。
3 v の向きを変えても右手則は成立
θ のスライダーを 90° → 45° に動かしてください。青の v 矢印が磁場方向に倒れます。
- F は依然 v にも B にも垂直(視点を回して確認)
- F の大きさは小さくなる(矢印が短く・薄くなる)— v と B が成す角が 90° から外れたため
- 右手の親指を新しい v の向きに合わせ直すと、中指は変わらず F の方向 — 法則はどの v の向きでも成立
- さらに θ を 0° にすると親指と人差し指が平行になり、外積がゼロ → F = 0(矢印が消える)
4 q の符号を反転すると F も反転
θ を 90° に戻し、q のスライダーを +1.6 → −1.6 に動かしてください。
- 粒子の色が黄 → 水色に切り替わる(電荷の符号変化)
- F の向きが正反対になる(+z だった赤矢印が −z へ)
- v も B も向きは変わらない → 外積 v × B も変わらない。q の符号が F の向きを反転させる
- つまり F = q · (v × B) — 外積に q の符号が掛かる関係
5 再生して運動を観察
q・θ をデフォルト(+1.6・90°)に戻して ▶ 再生。続けて θ を 45°・0° に変えて再生し直してみましょう。
- θ = 90°: 純粋な円運動 — v は常に円の接線、F は常に円の中心向き
- θ = 45°: らせん運動 — 円運動 + B 方向の直進が重なる
- θ = 0°: 力が 0 なので等速直線運動(磁場の影響を受けない)
- q を負にして再生すると、円運動の回転方向が逆になる(電子と陽イオンの違い)
💡 このような軌跡は F = m·a(ニュートンの運動方程式)に F = qv×B
を代入して解いたもの。電験では運動方程式そのものは出ませんが、後ろにそういう根拠があるという程度に。
6 ローレンツ力 — 磁場が電荷に及ぼす力
磁場 B の中で電荷 q が速度 v で動くとき働く力をローレンツ力といい、
・ 大きさは
と表されます。F が v にも B にも常に直交するため、F は仕事をせず速さは変わらない —
でも向きを曲げ続けるので円(らせん)運動になります。
B に直交する速度成分 v⊥ が描く円運動の半径と周期は
・
となります。注目すべきは周期 T が v に依存しないこと —
速い粒子は同じ時間で大きな円を描き、遅い粒子は同じ時間で小さな円を描く。1周にかかる時間は q と B だけで決まる。
💡 この「周期が速さによらない」性質があるからこそ サイクロトロン加速器が成立する — どれだけ加速して v が大きくなっても周期が不変なので、一定周波数の交流電場で毎周のタイミングよく粒子を蹴り続けられる(質量分析計でも同じ性質を使って粒子の m/q を測る)。
💡 本ラボでは粒子の質量を電子質量 m_e = 9.11×10⁻³¹ kg と仮定して r と T の数値を計算しています。
7 確認テスト
磁場の強さ B を 2 倍にした。円運動の周期 T はどうなる?(速度 v は変えない)
B を 2 倍にすると T は?