電圧の正体 — 電場に逆らいエネルギーをためる

点 A の電位 VA
0.00 kV
点 B の電位 VB
0.00 kV
電位差 VAB = VA − VB
0.00 kV
μC
cm
cm

パラメータを動かしてみよう

1 まず初期状態を眺める

左の図に、中央に点電荷(赤い丸、+2 μC)。線上に A(緑)B(オレンジ) のマーカーがあります。

  • A は点電荷の左、B は右に置かれている
  • 結果表示の VA、VB はそれぞれの点での電位
  • 3 つ目の値 VAB = VA − VB が「電位差」
  • 右のグラフは 電場の x 方向成分 Ex(x)。点電荷の左側では負(電場が左向き)、右側では正(右向き)。両側ともラッパ形に裾を広げ、無限遠で 0 に近づく
  • 塗りつぶしは A と B の間の領域 — これが今回の主役

2 A を点電荷にじりじり近づける

A の位置スライダーを −10 から −5 へ動かしてください(点電荷に近づける)。

  • VA大きく増える(距離が小さいほど電位は大きい)
  • VAB も連動して大きくなる
  • 右のグラフで A の縦線が右(0 に近い側)にずれ、左側の塗りつぶし(負の領域)が広がる

3 電荷量 q の符号を反転する

q のスライダーで +2 から −2 に変えてください

  • 点電荷の色が赤(+) から青(−) に変わる
  • VA、VB、VAB はすべて符号が反転
  • 右のグラフは上下が反転(右側が負、左側が正に)。電場の向きが逆になったため
  • 塗りつぶしの「形」は同じだが上下反転 → VAB の符号もそれに従って反転

4 A と B を反対側で同じ距離に置く

q を +2 に戻し、A = −20、B = +20 になるよう両スライダーを動かしてください。

  • A も B も点電荷から同じ距離(20 cm)
  • VA = VB、よって VAB = 0
  • 右のグラフを見ると、塗りつぶしは左半分(負)と右半分(正)が同じ大きさで打ち消し合う。符号付き面積はゼロ
  • 「電位差」は距離だけで決まる。位置が反対側でも、距離が同じなら電位は等しい

💡 「等電位面」は点電荷を中心とした同心球。同じ距離ならどこでも同じ電位。

5 塗りつぶしの「符号付き面積」が V_AB と一致する

A や B のスライダーをいろいろ動かして、塗りつぶしの符号付き面積(上=正、下=負)と 結果表示の VAB を見比べてください。

  • 同じ側に2点 → 同じ符号の領域だけ → VAB はそのまま正 or 負
  • 反対側に2点 → 正と負の領域が打ち消し合う → 残った面積が VAB
  • A が点電荷に近いと → Ex の絶対値が大きい領域を踏むので、面積も VAB も大きい
  • つまり VAB は「2点の間の Ex の符号付き面積」そのもの

6 これが「電圧の正体」

電圧(電位差)は単なる数値ではなく、電場のひと区間の積分(=符号付き面積)です。教科書的な式で書くと:
VAB=BAEdr\displaystyle V_{AB} = \int_{B}^{A} E \cdot dr

先頭のマイナスは、「電場の方向に進むと電位は下がる」という性質から来ています(電場 E は電位 V の下り坂の向きを指している)。だから「電位差を取り出す」には、電場の向きに逆らって積分する必要がある。これが「電場に逆らい力をためる」の意味。

物理的に言い換えると、電位差 VAB「単位電荷を B から A まで運ぶのに必要な仕事」。運ばれた電荷は 位置エネルギーを持ち、それを使って電流を流したり、回路を動かしたりできる。

💡 電池の「1.5 V」とは、+1 C の電荷を負極から正極へ運ぶのに 1.5 J の仕事が必要、という意味。基準点(0 V)はどこでもよく、扱いやすい場所(無限遠やアース)を選ぶ。

7 理解度チェック

正の点電荷 q (> 0) の周囲で、A は 10 cm、B は 20 cm の位置にある(同じ側)。電位差 VAB = VA − VB の符号はどれか?